パリで芝居を見る | パリ散策 | フランス留学

フランス留学

私は10年ビザを取得しているので、滞在許可申請に関する知識はほぼゼロ(期待してアクセスした方には「ごめんなさい」)。ここでは単にお薦めの「語学学校」の話(しかもパリだけ・・・)、そしてこのページの目玉、「大学入学」のためのいろは。あとは、ほんの少しですが、役立つ仏語学習テキストや辞書の「お薦めツール」も列挙してみました。


パリの語学学校

ソルボンヌ「COURS DE CIVILISATION FRANCAISE DE LA SORBONNE

伝統的な文法重視の授業で会話力の習得を期待しているとがっかり、ということもあるようだが、確固としたフランス語力の土台が築けるのは、やはりここ。事務局に問い合わせをすれば、資料も入手可能。通常コースは春期、秋期、冬期で、夏には多数の集中コース(会話、ライティング、文学等)が開講されている。

COURS DE CIVILISATION FRANCAISE DE LA SORBONNE

47, rue des Ecoles 75005 Paris FRANCE

ACCORD

どうしても会話中心の授業が受けたければパリ市内に点在する比較的小規模の学校が魅力。私が2カ月ほど通ったシャトレにあるこの学校は教師と学生との距離も近く家庭的な雰囲気、しかも一日4時間の集中授業なので確かに会話力は向上。実際に教授法の面から見ても興味深い授業をする教師もいる。ただ教師を選ぶことはできないので、はずすと・・・。ホームページがあるので(たぶん)、興味があればそちらへアクセスしてください。


フランスの大学に関するミニ情報

フランスの大学は3つのCycleで構成されている。

  • Premier cycle:2年間。一般的には「DEUG」といわれる。
  • Deuxieme cycle:2年間。「Licence」「Maitrise」各1年。
  • Troisieme cycle:3〜5年間。
    「DEA」(「doctrat」進学希望
    者)または「DESS」(就職対応)1年。「DEA」修了後「doctrat」2〜4年(一般的には3年)。

日本の資格との対照

フランス 日本
Premier cycle DEUG 学士
Deuxieme cycle Licence
Maitrise 修士
Troisieme cycle DEA/DESS 博士前期
6〜 Doctrat 博士後期

*年数的に矛盾があるものの、対応資格としては上のような解釈が多いようである。

尚、フランスの大学は、ほぼすべてが国立。年間に支払う諸費用込み授業料は日本円にして2万円から3万円程度である。

大学に入学するには

ここで紹介するのはDEUGに入学する方法である。それ以上の課程への編入に関しても少しだけ触れたいと思うが詳しいことは知らないので間違っているかもしれない・・・

日本で少なくとも学士以上の課程を修了している場合、論文等の添付による2eme cycleへの編入手続きがある。この場合、当然ながら、専攻分野を変更することはできない。書類選考だ・・・と思う。あらかじめ希望の教授にコンタクトを取ることをお薦めする。紹介状などもあると良いかもしれない。

1er cycleに入学するには、条件は「高校卒業」のみであるが、大学の授業をフランス人に混じって受講するだけのフランス語能力の有無が問われる。要するに外国人用入学試験に通らなければならない。(但し、語学力試験もDALFがあれば免除される)

この試験は全国共通で、願書に第一志望から第三志望まで記入する仕組みになっている。奥の手があるようだが、基本的には各地域一校という決まりで、第一志望がパリ近郊の大学であれば、他は地方の大学を記入しなければならない。確か、第1志望校に関する志望動機記入欄もあったような気がする・・・指定された会場(第1志望校が多い)で試験を受けると、まず第1志望校で審査され不合格ならば第二志望校の審査に回されるという具合である。学校によっては、試験結果が合格点に満たない場合でも、仏語の授業を並行して受けるという条件付きで入学を許可する場合もある。しかしその必要授業数が試験結果に応じて違うらしくあまり多いとかなり辛いらしい。とにかくフランスの大学は学生を容赦なく落第させるので、どちらにしても勉強はしなければならないのだが・・・

入学手続きの流れ(資料:1999年度願書)

  • 11月15日〜1月15日 願書配布
    • フランス在住の場合:志望大学の事務所で入手
    • 日本で:フランス大使館の「Service culturel」で入手
  • 1月末日 願書締め切り
  • 2月 フランス語試験
  • 4月15日〜5月15日 第1志望校結果発表(郵送)
  • 5月15日〜6月1日 第2志望校結果発表(郵送)
  • 7月 合格校において入学手続き
  • 10月 入学

* 資料が古いので日程や流れにも変更があるかもしれない。あくまで目安として参考になればと思う。

大学で何を勉強するか

専門分野があってそのために大学へ入学するという場合以外はフランス語力の錬磨というのが正直なところだろう。私の現在在籍するINALCO(パリ第3大学)の日本語学部のLicenceには「翻訳・通訳」の専攻がある。通訳・翻訳関係で仕事をしたい場合などなかなか良いようだ(もちろんこれだけで十分というわけではないと思うが、私は学部自体も移ってしまっているのでよくは知らない、実のところ)。INALCOでは、日本人が日本語学部に入る場合は初めの1年が「Licence準備コース」というのになっており、通常、3年目がLicenceの課程だが、1年スキップして2年目でLicenceを修了することができる(もちろん単位を落とさなければだが)。1年目の「Licence準備コース」というのも、日本人用のカリキュラムといってもフランス人学生の1、2年生の授業のうち、漢字や会話の授業を削り、必要と思われる文法等の授業と一般教養が組み合わされてできたというだけで、フランス人学生に混ざって講義を聴くわけであるから、フランス語の勉強という面ではなかなかスパルタ的ともいえる。とにかく、聴解力とノートを取る力はかなりつく・・・ちなみに日本人は毎年5〜10人程度入学しているようだ。

分野別、該当学部(DEUG)のおかれたパリ大学

* 理工学系、体育系、医学部、宗教学部は除く。詳細は各校のホームページ参照。

パリ大学アドレス

1- PARIS I : 12, place du Pantheon, 75231 Paris cedex 05
2- PARIS II : 12, place du Pantheon, 75231 Paris cedex 05
3- PARIS III : 17, rue de la Sorbonne, 75230 Paris cedex 05
4- PARIS IV : 1, rue Victor Cousin, 75230 Paris cedex 05
5- PARIS V : 12, rue de l'Ecole de Medicine, 75270 Paris cedex 06
6- PARIS VI : 4, place Jussieu, 75252 Paris cedex 05
7- PARIS VII : 2, place Jussieu, 75251 Paris cedex 05
8- PARIS VIII : 2, rue de la liberte, 93526 Saint-Denis cedex
9- PARIS IX : Place du Marechal-de-Lattre-de-Tassigny, 75775 Paris cedex 16
10- PARIS X : 200, avenue de la Republique, 92001 Nanterre cedex
11- PARIS XI : 15, rue Georges Clemenceau, 91450 Orcay cedex
12- PARIS XII : 61, avenue du General-de-Gaulle, 94010 Creteil cedex
13- PARIS XIII : avenue Jean-Baptiste Clement, 93430 Villetaneuse

DROIT - SCIENCES POLITIQUES - ECONOMIE - ADMINISTRATION

  • DROIT : PARIS1, 2, 5, 8, 10, 11, 12, 13
  • SCIENCES ECONOMIQUES : PARIS1, 2, 8, 9, 10, 11, 12, 13
  • ADMINISTRATION ECONOMIQUE ET SOCIALE : PARIS1, 2, 5, 7, 8, 10, 12, 13

LETTRES - ARTS - SCIENCES HUMAINES

  • LETTRES CLASSIQUES : PARIS4, 8, 10
  • LETTRES MODERNES : PARIS3, 4, 7, 8, 10, 12, 13
  • SCIENCES DU LANGAGE : PARIS3, 5, 8, 10
  • LANGUES, LITTERATURES ET CIVILISATIONS ETRANGERES : PARIS3, 4, 7, 8, 10, 12,13
  • LANGUES ETRANGERES APPLIQUEES : PARIS3, 4, 7, 8, 10, 12, 13
  • ARTS PLASTIQUES : PARIS1, 8
  • ARTS DU SPECTACLE : PARIS1, 3, 8, 10
  • HISTOIRE DES ARTS ET ARCHEOLOGIE : PARIS1, 4, 10
  • MUSIQUE : PARIS4, 8
  • GEOGRAPHIE : PARIS1, 4, 7, 8, 10, 12, 13
  • HISTOIRE : PARIS1, 4, 8, 10, 12
  • PHILOSOPHIE : PARIS1, 4, 7, 8, 10, 12, 13
  • PSYCHOLOGIE : PARIS5, 7, 8, 10,13
  • SOCIOLOGIE : PARIS5, 8, 10


付録

大学入学語学試験対策

* 以下に紹介する試験はあくまで1999年に行われたものであり、現在ではすっかり形態を変えてしまっているかもしれない。しかし、これらの情報により、試験のおおよその全体像がつかめ、試験勉強にとりくむにあたり少しでも参考になれば幸いである。

試験は三部で構成される

  • 聴解:講演、講義等の録音を聞き、メモを取る。再度同じ録音を聞いたあと、問題用紙の問いに答え〜5ページ)を読み、設問に答える。「・・・という意見に反対 ッ調)する内容の段落を選べ」という形の問いに対し、各文書の該当段落番号に○を付けていくものや、問に対し作文で解答するというものが出題される。
  • 作文:読解用文書の共通テーマに関連した課題が与えられA4で一枚程度の作文を行う。

過去の出題(筆記)

  • 1999年(文科系/理工系):
    テーマ「目前に迫る2000年」/作文「2000年は変動の年となるのか」
  • 1998年(文科系):
    テーマ「都市化と建築」
  • 1998年(理工系・医歯薬):
    テーマ「エネルギー」
  • 1997年(文科系):
    テーマ「本と読書」/作文「自分はどのようなタイプの読者であると思うか」
  • 1997年(理工系・医歯薬):
    テーマ「水」/作文「再生可能エネルギーのなかで最も将来性のあると思われるエネルギーは何か」
  • 1996年(文科系):
    テーマ「歌の現在」/作文「『今、歌は国境を越えた』:この変化に対する意見を述べよ」
  • 1996年(理工系・医歯薬)
    テーマ「危険にさらされる地球」

試験時間は3時間である。とにかく大切なのは、この3時間を聴解、読解、作文に各1時間と振り分けしっかりと自分で管理することである。これを怠ると、全く作文には手を付けないままで時間切れということにもなりかねない。配点もほぼ均等なので作文に手を付けていないということになるとかなりの痛手である。試験勉強の時から1時間を単位として問題に取り組むことを身につけるとよいだろう。

試験対策といっても、話を聞いてノートを取る訓練や1ページ程度の文章をビビらずに読む訓練くらいである。あとはとにかく作文をする。自分で制限時間1時間と決め、様々なテーマで1ページ程度のきちんと構成された文章を書けるように練習するとよい。フランス語の作文に関しては「ECRIRE EN FRANCAIS・第一章作文」を参照。

もし、試験前にフランスにいるのであればソルボンヌに大学入学試験準備コースがある(というより、1999年にはあった)。一人で勉強するのが不安な場合はソルボンヌだけでなく色々な語学学校を当たってみるとよいだろう。


お薦めツール

フランス語問題集・文法書

フランス語の勉強に役立った、お薦めの本の話を少しだけ

  • 「実習・フランス語教程〜京都大学フランス語教室白水社
    独学で中級またはそれ以上の能力が習得可能
  • L'EXERCISIER PUG(Presses Universitaires de Grenoble)
    よくできたやりごたえのある問題集(フランス語)
  • GRAMMAIRE DU FRANCAIS COURS DE CIVILISATION FRANCAISE DE LA SORBONNE HACHETTE
外国人学習者のために作られた数少ないフランス語の文法書
外国人ならではの疑問によく対応している

私の好きな辞書

  • 「ロベール仏和大辞典」小学館
    なんといってもこれ。翻訳の仕事をするなら、まずはこの辞書。この辞書がなければ翻訳はできません。以前どこかで「この辞書よりも仏英で調べてとにかく充実している英和を使ったほうが良い」などと言っているのを目にしたが、この辞書が良くないと言う人は、この辞書をを使いこなせるほどのフランス語力がない人だと思う。なかなか新版が出ず、先端技術関連では見つからない語彙も増えてきたがしかしまだまだ私にとっては神のような存在です。
  • LE ROBERT MICRO
    たしかソルボンヌの先生に薦められて買った。EDITION POCHEで持ちやすく重宝している。外国人向けとあるように語彙の選択や語源情報が省略されていることなどとにかく実用的。夫という名の大変便利な音声付き辞書が手元にないときには、これを使っている。やはり細かいニュアンスは仏仏でなければ分からない。残念ながら大型で優れものの和仏辞書はまだないので、フランス語でのライティングにも絶対に欠かせない一冊である。
  • LE ROBERT - DICTIONNAIRE DES SYNONYMES
とにかくくり返しの嫌いなフランス人。この辞書もライティングには欠かせない。しかし、それぞれの語彙には、やはりそれぞれのニュアンスがあるので
SYNONYMESの辞書を使うのはやはり難しい・・・


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